Kohin は、音楽がどうやってできているのかを、音を鳴らして確かめていく実験室です。理論書を1ページ目で閉じたことのある人の側に立って、わからないところから、一緒にわかっていきます。
ここでやること
鳴らして、確かめる。
良し悪しを頭で決める前に、まず鳴らしてみます。「この音を1つ消したら?」「テンポを半分にしたら?」「いちばん大事なところを、いちばん小さな音にしたら?」。小さな実験を、ひとつずつ重ねていきます。
本を、音で読み直す。
音楽の理論書や、ものづくりについての本を読んで、自分の耳と手で噛み砕き直します。わからなかったページも、鳴らしてみると急にわかることがあります。
記録する。
ここに並ぶのは、完成品というより、その日の記録です。今日やったこと、試したこと、うまくいかなかったこと、分かったこと。
大事にしていること
- 知らないところから始める。 知っていることは、ときどき耳をふさぎます。見慣れた和音も、はじめて聴くつもりで聴き直します。「ジャズ」「クラシック」「作曲家」といった札も、いったん外しておきます。
- 失敗は、ただのデータ。 思ったとおりに鳴らなかった実験も、そのまま残します。「この道ではなかった」と分かったことは、前に進んだしるしです。
- ハードルは低く。 今日つくるものが、自分を一生決めるわけではありません。小さな実験、最初の一歩として出していきます。
- 作品は、その日の日記。 完璧になるまで手元に置かず、いまの記録として出して、次のページへ進みます。
- 不完全さを残す。 迷った跡や、偶然の間違いにこそ、人の温かみが宿ると考えています。
4つの段階
音をつくるときは、いま自分がどの段階にいるかを意識しています。記録も、だいたいこのどこかに当てはまります。
- 種を集める:気になったメロディ、和音、音色、言葉を、選ばずに拾っておく。
- 試す:拾った種がどう育ちたがっているかを、鳴らしながら見る。
- 組み立てる:方向が決まったら、手を止めずに最後まで形にする。
- 手放す:いまの記録として出して、次へ進む。
今日も鳴らす。
画家のロバート・ヘンライは、アートの目的は作品を残すことではなく、アートが生まれずにはいられない状態の中にいることだ、という意味のことを言いました。Kohin がめざしているのも、いい曲を残すことより、鳴らし続けている状態の中にいることです。
つくるというより、音が自分を通って出てくるのを、耳を澄ませて待つ。そんな気持ちで、今日も鳴らします。
このページの考え方の多くは、リック・ルービン『The Creative Act』から借りています。本を読んで考えたことは、「音楽と言葉」に少しずつ書いていきます。